早くも年末調整用の資料も届きつつあり、年末が近づいていることを嫌でも感じさせられます。
ちょっと早いですが、来年の所得税の改正点を取り上げます。

　来年の所得税ですが「変わるけど変わりません」。
給料や年金の控除が１０万円削られるという大きな変更はありますが、基礎控除が１０万円増えるのでプラマイゼロで所得は変わりません。
ただし、収入が多い人にとっては税負担は増えます。

 

　まずは給与所得についての変更から。

１．基礎控除の拡大と縮小

・従来　年３８万円⇒改正　年４８万円

・合計所得金額２４００万円超２４５０万円以下⇒３２万円
　合計所得金額２４５０万円超２５００万円以下⇒１６万円
　合計所得金額２５００万円超　　　　　　　　⇒　０万円

 

２．給与所得控除の圧縮

・一律１０万円減額。例えば、年収１０３万円の場合、「６５万円」が下限として保証されていましたが、これが５５万円に引き下げられます。

・上限の減額　２２０万円（年収１０００万円）⇒１９５万円（年収８５０万円）

 

３．年税額への影響

＜年収１０００万円の場合（基礎控除のみ）＞

・従来　年１８４万円（所得税１０９。３万円、住民税７４．７万円）

・改正　年１８９万円（所得税１１２．８万円、住民税７６．２万円）

 

４．手取りへの影響

＜年収１０００万円、月８３万円の場合＞

・従来　月６７．７万円

・改正　月６７．３万円

・所得税と翌年の住民税だけで計算しているため、実際の手取りは社会保険料分少なくなります。

 

　年収１０００万円の人で、月４０００円、年間５万円なのであまり大きくないようにも思えますが、給与所得控除は２０１３年以降段階的に引き下げられていること、高額所得者（年所得１０００万円超）の配偶者控除が２０１８年からなくなっていることなどを考えると、収入の多い人にとっては負担感がさらに強くなりそうです。