消費税の納税義務者 ② 基準期間

posted by 2019.06.18

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 昨日の続きで、消費税免税の判定の基礎となる基準期間の課税売上高について見ていきます。

 基本的には2年前の売上げなんですが、判定する上での注意点が細々あります。

 

【売上高】

・基本は税抜きで1000万円を超えるかどうかで判定。

・ただし免税の時は消費税をもらっていない建前なので税込みで判定つまり同じ年間1080万円の売上げでも免税になるケースと課税になるケースがあります。

・課税売上げだけで判定するので居住用の家賃収入や補助金収入は含みません

 

【期間】

基準期間が1年ない場合、法人は月数按分します。設立第1期が6ヶ月の場合には✕2して判定。

基準期間が1年ない場合、個人は月数按分なしでそのまま判定します。法人と違い、年の途中で設立という概念がなく、事業をしていない期間も含めて暦年(1/1~12/31)で判定します。

 

【特殊な判定】

・会社分割があった場合には、分割前の法人の2年前の売上げで判定します。逆に合併があった場合には、両者の2年前の売上げ合計で1000万円を判定します。

相続で事業を引き継いだ場合には、亡くなった被相続人の2年前の売上げで判定します。被相続人と相続人の両方の事業がある場合は両方の合算で1000万円を判定します。

 

 相続とはちょっと違いますが、個人で事業承継する際に消費税を免れる行為が目立つため、会計検査院が調査しているという報道が昨年ありました。
どういうことかと言うと、生前に先代が事業を一旦廃止して、引き継いだ人が新規に「開業届」を提出して商売を始めると消費税は2年間免税になります。
しかし商売の内容が同じで、従業員も設備もそのままとなると相続の場合と変わらないため、今後何らかの規制が入る可能性はあります。

(つづく)