消費税の納税義務者 ① 基準期間

posted by 2019.06.17

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 「売上げが1000万円以下なら消費税はかからない」というのは何となく知っている方も多いように思いますが、今やその判定は複雑化し、さながらトラップのようです。

 儲けの何割かを払う法人税や所得税と違い、消費税は事業が赤字でもかかりますし、運転資金に紛れ込むだけに負担感はかなりあります
そのため、納税者はいかに免税にするかを工夫しますし、国税庁はいかに免税をなくして公平に課税するかという観点で改正するのでどんどん複雑化してきました。

 

 判定要素としては次のようなものがあります。

① 基準期間(2年前)の売上げ
② 資本金
③ 前年の売上げ又は給料
④ 株主
⑤ 相続、合併、分割

 

 ① 基準期間(2年前)の売上げについてもう少し詳しく見ていきます。

 消費税は転嫁を前提とする税金です。「消費税を納めないといけないから、売り値に上乗せしよう」という理屈なので、自分が消費税を払うべき事業者かどうか知っておく必要があります。
ということは商売を始めた年は最終的に1000万円を超えるかどうかは途中では分かりません。
では翌年に分かるかというとそれも難しいです。個人で年末で締めたとして売上を集計するのは2月か3月なのでその時点では次の年は始まってしまっていて、売り値に消費税を反映させることはできません。
そこで2年前を基準期間として、消費税の納税義務を判定し、転嫁する準備期間を設ける制度となっています。

 

 基準期間の売上高は単に2年前の売上げを見るだけでなく、細々と注意点があるのですが、次回へ続きます。