自家用車の売却益

posted by 2019.02.19

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 以前に「フェラーリ売却で1億円を所得隠し」というニュースがありました。
一昨年から各地の国税局が、高級車の取引に関連した個人・法人約20件の税務調査を行ない、総額20億円の申告漏れや所得隠しが見つかったそうです。
富裕層の消費意欲の高まりにより、2000万円を超える超高級車の販売が直近5年で3倍に増えており、売却益も多額になっています。

 

 こういう特殊な事例はさておき、一般個人の方が車を売った場合は確定申告しなければならないのでしょうか。

原則譲渡所得に該当し、儲けが50万円を超えれば納税。

例外生活に通常必要な動産であれば非課税。

 

「生活に通常必要な動産」とは、1個30万円を超える貴金属、書画骨董、美術品などの贅沢品以外のものを言うので、自家用車はここに含まれず、非課税となります。
ただし、フェラーリなど希少性の高い超高級車は、生活に通常必要なレベルを超えた美術品に近い価値があるため、一般個人が売買したとしても課税される可能性があります。

 

 売却時に儲けが出ているかどうかですが、事業用なら減価償却資産として帳簿価額を管理しているので把握できますが、自家用車であれば帳簿価額をどうやって把握するのでしょうか。

 自家用車の帳簿価額は購入金額から次の算式による減価償却費を控除して計算します。

・非事業用資産の減価償却費=取得費✕0.9✕0.112※1使用期間※2

※1 自家用車は使用頻度が低いので通常より長めの1.5倍の耐用年数になります。普通乗用車の耐用年数6年×1.5=9年 ∴定額法0.112

※2 使用期間は1年単位。6ヶ月以上の端数は1年、6ヶ月未満は切り捨て。

 例えば300万円の車を5年使うと償却費は151.2万円になるので特別控除額50万円を考慮すると200万円以上で売れれば所得が発生します。
5年落ちで半分の下取り価格がある車は通常ないですし、そもそも一般的な自家用車の売却益は非課税なので心配する必要は無さそうです。