昨日の続きで内装の経理処理について見ていきます。
2.建物附属設備、建物、器具備品のどれに該当するのか
内装工事には様々な内容がありますが、資産になるとしてどれに該当するかも迷うところです。
どれに該当するかによってその先の耐用年数が変わってくるのでまずは正しく区分する必要があります。
<建物附属設備とは>
建物に固着されたもので、その建物の使用価値を増加させるもの、その建物の維持管理上必要なものを言います。
これでは分かりにくいので具体的な内容を見ていきます。
① 電気設備(照明設備を含む)
② 給排水、衛生、ガス設備
③ 冷暖房、通風、ボイラー設備
④ 昇降機設備
⑤ 消化、排煙、災害報知設備、格納式避難設備
⑥ エアーカーテン、ドア自動開閉設備
⑦ アーケード、日よけ
⑧ 店用簡易設備
⑨ 可動間仕切り
⑩ 前掲以外
この中で他の資産との区分に迷うのが③⑧⑨あたりです。
③ 冷暖房、通風、ボイラー設備
「器具備品」の中にも「冷暖房機器」があり、こちらは耐用年数6年。
「建物附属設備」の場合は13年なので償却費が倍以上違ってきます。
イメージとしては天井や壁に埋め込んであり、ダクトを通じて広範囲で使えるものが「建物附属設備」で壁に後付けしたり置いて使うようなものが「器具備品」に該当します。
⑧ 店用簡易設備
小売店や飲食店で使われる壁面の飾り棚や備え付けのカウンターを言います。
リニューアル等で短期間に取り替えられるものであるため耐用年数も3年と短いです。
ポイントは固着しているかどうかです。
置いてあるだけの棚やカウンターは「器具備品」に該当します。
なお「器具備品」に該当すると耐用年数は陳列棚で8年、カウンターで5年になり、「建物附属設備」の3年より長くなります。
なるべく早く経費化したい場合は一体としての「店用簡易設備」と解釈した方が有利です。
⑨ 可動間仕切り
いわゆるパーテーションです。
⑧と同じく固着しているかどうかがポイントで床だけ固定しているものは「建物附属設備」の”簡易なもの”として耐用年数は3年、天井も床も固定している場合は”その他のもの”として15年になります。
なお建物に完全に固定されていて可動しないものは「建物」に該当します。
判定のポイントとしては①から⑩の中に当てはまるものがあるかと床や壁に固定されているかどうかです。
次回は耐用年数の判定について見ていきます。