保険金と税 ⑤ 法人が受け取る生命保険金

posted by 2019.02.8

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 保険金と税の5回目は【法人が受け取る生命保険金】です。

 法人向けの生命保険は日進月歩で様々なものがあり、加入の仕方についても様々なパターンがありますが、一般的な例で見ていきます。

 

1.保険金の例

・死亡保険金(定期・終身)
・養老保険金
・入院保険金 

 

2.税金の取扱い

① 死亡保険金(定期)

<契約者:法人 被保険者:従業員又は役員 受取人:法人>

保険料支払時:損金(経費)※1

保険金受取時:益金(利益)※2

※1

掛け捨ての場合は保険料支払時に全額経費が原則ですが、貯蓄性の高い長期平準定期保険逓増定期保険の場合は支払時に1/2~1/4しか経費にならず、残りの金額は「保険積立金」や「前払保険料」として資産計上されます。

※2

利益に対して法人税が課税されるため、通常は退職金の支払いなど経費と相殺することになります。

 

② 死亡保険金(終身)

<契約者:法人 被保険者:従業員又は役員 受取人:法人>

保険料支払時:資産(保険積立金) ※3

保険金受取時:差益には法人税 ※4

※3

法人で終身保険に入っても経費にはなりません。死亡は必ず起こるため掛け捨てにならず、単なる積立と同じ性格になるためです。

※4

保険積立金として経理した金額を超える部分は利益になります。
経費にならないので節税効果はありませんが、退職金の準備はできます。

 

3.注意点

・保険料支払時に経費になるかどうかも重要ですが、出口をどう考えるかも重要です。途中解約を前提とするのか、最後まで契約するのか。解約するのであればどの時点の返戻率を使うのか、出た利益は何と相殺するのかといったことを加入時にある程度想定しておく必要があります。

・節税商品であっても純粋に会社が得をすることはあり得ません。ただ利益の繰り延べ効果、資金繰りの平準化、社外に確実にプールできるといったメリットはあるので使い方次第と言えます。

 

 養老保険金と入院保険金については次回に続きます。