持株会社のデメリット

posted by 2016.06.13

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 先週の続きでまだ触れていなかった持株会社のデメリットについて触れていきます。

税金面のデメリットについてはメリットの回で注意点として挙げた内容があります。

・2割の譲渡所得税と借入利息がかかる。
・株価が下がれば逆効果。
・持株会社の資産構成によって狙った効果が出ない。

 

税金面以外では次のようなデメリットがあります。

 

・横の連携が取りにくい

分社メリットの裏返しになりますが、別会社と同一会社の別事業部とでは距離感が違うので連携が取りにくかったり、対抗意識がマイナスに働いたりします

 

・事務的な非効率

持株会社で全体の事務をコントロールしておかないと各社に管理部門ができてしまい非効率になりがちです。
また税金面になりますが別会社になると連結納税しない限り、損益通算ができなくなります

 

・相続人間で紛争が起こる可能性

事業承継メリットの裏返しになりますが、持株会社があれば特定の後継者の総取りになるため、かえってもめることがあります。
子どもが3人、子会社が3つあって長男にA社、長女にB社、次男にC社を分けたいというニーズがたまにありますが既に持株会社として組んでいれば一旦解体する必要があります。

 

・上場の制限

非上場会社の子会社は証券取引所のルールで上場を認められていないため、親会社が非上場の場合、資本市場からの直接資金調達ができません。

 

 持株会社に限らないことですがメリットの裏返しがデメリットになることがあります。
一度組織を作って終わり、ではなく見直しをしながらデメリットの部分を消していく必要があります。