昨日は10%になる平成29年4月1日からのつなぎ制度をご紹介しましたが、今日はその後の「インボイス制度」を取り上げます。
平成33年4月1日からの導入で5年以上先の話ですが影響が大きいので早めに予習しておきましょう。
「invoice」を日本語に訳すと「請求書、送り状」といった意味になりますが、消費税の世界では「消費税を明記した取引伝票」のことを指します。
今回導入されるインボイス制度は正確には「適格請求書等保存方式」と呼ばれます。
<適格請求書への記載事項>
・発行者の名称及び登録番号
・取引年月日
・取引内容(軽減対象である場合はその旨も)
・取引金額(税率の異なるごとに集計)
・消費税額
・請求書受領者の名称
<発行事業者の登録>
適格請求書を発行するには税務署長に申請書を提出して登録をしなければなりません。
免税事業者は発行事業者になれません。つまり免税事業者から仕入れた場合、消費税を控除できなくなり、取引から排除される恐れがあります。
そこで導入後3年間は免税事業者からの仕入れであっても8割の控除、さらにその後3年は5割の控除ができることとされています。
経過措置がある間に免税事業者を課税事業者へ誘導する目的があると考えられます。
<税額計算>
積上げ計算(インボイスを集計)と割り戻し計算(現行制度)の選択
インボイス制度の導入により、計算がシンプルになること、益税(事業者に残る消費税の差益)が解消されるというメリットがある反面、免税事業者が取引から排除される恐れがある、中小企業の事務負担が重いというデメリットもあります。
デメリットの部分に関してはつなぎ制度と経過措置の状況を見ながら手直ししながら運用されていくと考えられます。