相続と遺贈からの派生で相続放棄した場合の相続税の取り扱いについても確認します。
家庭裁判所で手続きして正式に相続を放棄した場合、何も財産を取得しないため、相続税はかからず、相続税の申告義務もありません。
ただし、放棄していても受け取れる財産があるなど相続税がかかることもあります。
1.本人への影響
① 生命保険金及び退職手当金等
生命保険金や死亡退職金などのみなし相続財産は相続放棄していても契約や規定に従って受け取ることができます。
ただし非課税枠(500万円 × 法定相続人の数)は使うことができません。
② 生前贈与加算
相続放棄により何も受け取らなかったとしても、生前贈与(7年以内)や相続時精算課税による贈与がある場合には、相続税の計算上加算する必要があるため、全体で基礎控除を超えれば相続税が発生します。
③ 債務控除
相続放棄した場合、負担したとしても債務控除はできませんが、葬式費用は控除することができます。
2.他の相続人への影響
① 基礎控除
基礎控除は「3000万円+600万円 × 法定相続人の数」で計算されます。
この法定相続人の数は相続の放棄があったとしても無視するので、放棄の影響を受けません。
② 生命保険金等の非課税
非課税枠も「500万円 × 法定相続人の数」で計算するため、放棄の影響を受けません。
ただし、非課税枠の合計額は維持されますが、1①で見た通り放棄した本人は非課税枠を使えません。
相続放棄したからもう一切関係ない、というわけではありませんので注意しましょう。


