退職金は長年の功労に対する報償や老後資金の性格があることから税金が3つの制度により税が軽減されています。
・退職所得控除(勤続1年当たり40万円、20年目以降は70万円を控除)
・1/2課税 (退職所得控除後の金額をさらに半分に)
・分離課税 (他の所得と別計算することで税率を下げる)
退職所得控除については、1社で退職金をもらうことを想定しているため、複数社に勤務して両方から退職金をもらった場合には、重複して使えないように調整が入ります。
<例1>
A社で22歳~65歳まで43年勤務して退職金受け取り
B社で60歳~66歳まで6年勤務して退職金受け取り
A社退職時
〇 退職所得控除:40万円 × 20年+70万円 × 23年=2410万円
B社退職時
✖ 退職所得控除:40万円 × 6年=240万円
〇 退職所得控除:40万円 × (6-5)年=40万円
60歳から65歳の5年間については2回退職所得控除をしていることになるため、重複する部分を外します。
ただし、前に退職金をもらってから丸4年空いていれば重複部分の調整はありません。
<例2>
A社で22歳~60歳まで38年勤務して退職金受け取り
B社で55歳~65歳まで10年勤務して退職金受け取り
A社退職時
〇 退職所得控除:40万円 × 20年+70万円 × 18年=2060万円
B社退職時
〇 退職所得控除:40万円 × 10年=400万円
A社退職とB社退職の間隔が5年あるので、B社退職時も退職所得控除を全額使えます。
というのがこれまでの制度だったのですが、令和7年度税制改正により増税になっています。
(つづく)