中小企業経営強化税制の3回目は前提となる経営力向上計画について確認します。
<概要>
中小企業がマネジメントの向上や設備投資など経営力を向上するための事業計画を作成して、国の認定を受けることにより、税制優遇・金融支援・法的支援を受けられる制度。
<範囲>
・従業員2000人以下
・個人事業主、会社、士業法人、組合、一般社団法人、医療法人、社会福祉法人、NPO法人等
<支援措置>
① 税制措置
・中小企業経営強化税制
・事業承継時に不動産取得税と登録免許税を軽減
・中小企業事業再編投資損失準備金(投資額の7割を先行して経費算入可)
② 金融支援
・日本政策金融公庫による特別利率での融資
・保証協会による別枠保証 等
③ 法的支援
・事業承継時に許認可がそのまま引き継ぎ可能
・事業譲渡時に債権者の個別同意が不要 等
<手続き>
・認定経営革新等支援機関のサポートを受けて申請書作成
・記載内容:企業の概要、現状認識、経営力向上の目標及び指標、経営力向上の内容、事業承継等の時期及び内容等
・業種ごとの所管省庁に提出(認定まで約30日)
<ポイント>
・期間は3~5年で作れます。作成にはそれなりに手間がかかるので長めの計画にしておいて、追加的な設備投資が発生した場合など必要に応じて変更申請をする方が手間は減ります。
・税制優遇は決算期末までに認定を受ける必要があります。認定までの30~45日と作成期間の2週間程度を加味して、遅くとも決算期末の2か月前には着手した方がいいでしょう。
・事業分野によって指標となる目標や申請先が変わります。まずは日本標準産業分類で該当する事業分野を確認することが必要です。
計画作成は最初は難しいですが、一度作ってしまえば最長5年使えるのでそれなりに元は取れます。
計画の認定に関しては、落とすことを目的としていないので、必要な記載項目さえ網羅していれば通常は通ります。
まとまった金額の設備投資がある場合はぜひチャレンジしてみましょう。