前回の続きで、中小企業でも使いやすい設備投資を促進する特例について確認します。
1.中小企業投資促進税制
① 概要
機械やソフトの設備投資をした場合に30%特別償却又は7%税額控除ができる制度。
特に事前準備が不要なことから使いやすい制度と言えます。
② 適用対象者
・青色申告書を提出する中小企業者等※
・資本金3000万円超の法人は税額控除使えず
※中小企業者等
・資本金1億円以下の法人(ただし大法人の子会社や過去3年の平均所得15億円超の場合を除く)
・従業員1000人以下の個人事業主
③ 適用期間
・平成10年6月1日~令和5年3月31日⇒改正で2年延長
・取得して事業共用すれば適用
④ 対象設備
・機械装置:1台160万円以上
・工具:1台120万円以上 又は1台30万円以上かつその期の合計120万円以上
・ソフトウェア:1本又はその期の合計70万円以上※
・普通貨物事業者:3.5トン以上
・内航船舶(取得価額 × 75%が対象)
※ソフトウェア
・複写して販売するための原本や研究開発用は除外
・サーバー用オペレーションシステム、サーバー仮想化ソフト、データベース管理ソフト、不正アクセス防御ソフトについては、ISO及びIECによる認証が必要
⑤ 指定事業
・農林水産、情報通信、製造建設、卸小売、不動産、サービス業、医療福祉など幅広く該当
・対象外はインフラ、銀行、娯楽(映画除く)など
⑥ 税制メリット
・特別償却30%
・税額控除7%(上限は法人税額又は所得税額の20%)
・使い切れなければ1年繰越あり
・特別償却又は税額控除のどちらかを選択。安定的に利益が出ていれば普通の減価償却に加えて税額控除もできる税額控除7%が有利
・所有権移転外リースについては税額控除のみ適用あり
⑦ 手続き
・法人:別表又は付表を添付、適用額明細書に番号記入
・個人事業主:特別償却なら減価償却の摘要欄に「措法10条の3」記入。税額控除なら明細書添付
いろいろと要件はありますが、まずは機械で160万以上、ソフトで70万以上をクリアすれば使えることが多いです。
次回はさらに税効果が高い中小企業経営強化税制について確認します。