インボイスと独禁法 ①

posted by 2022.09.27

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 昨日に続いてインボイスを取り上げます。

 「結局どうしたらええの?」という質問をいただくこともあります。
ごちゃごちゃ説明するより、国税庁から公表されている『インボイス制度への事前準備の基本項目チェックシート』がとても分かりやすいので、これを見てもらう方が早いです。
興味のある方は検索してみて下さい。

 

 チェックシートの買手編の中に「必要に応じて価格の見直し等を相談しましょう。」という項目が出てきます。
仕入先や外注先が免税事業者の場合、消費税分を値下げしたり、インボイス登録をするように依頼することはできるのでしょうか。

 まず、インボイスをきっかけとして取引条件を見直すこと自体が直ち問題になるわけではありません。
ただし、見直しに当たっては独占禁止法や下請法に定める「優越的地位の濫用」に該当しないように注意する必要があります。
「優越的地位の濫用」とは、取引上の地位が相手方に優越している一方の当事者が、取引の相手方に対してその地位を利用して、正常な商慣習に照らして不当に不利益を与えることを言います。平たく言うと下請先等に圧力をかけているような状況です。

 

 「優越的地位の濫用」が問題となるケースとしては次のようなものがあります。

1.取引対価の引下げ
2.商品・役務の成果物の受領拒否、返品
3.協賛金等の負担の要請等
4.購入・利用強制
5.取引の停止
6.登録事業者となるような慫慂等(誘い勧めること)

 

 中身については長くなるので次回へ続きます。