税理士と不正受給

posted by 2022.08.2

kamen_warui_businessman

 今日から税理士試験。
苦労して税理士になったのに不正に手を染めるような輩もいます。

 持続化給付金の不正受給に関するニュースでも税理士が指南しているようなケースが何件かありました。
給付金や補助金はいろいろありますが、特に持続化給付金はスピードや広範囲での支援を優先して手続きを緩くしたため、不正受給も容易でした。
具体的には確定申告を期限後申告した場合でも受給できたため、架空の確定申告書作成をサポートして成功報酬として給付金の何割かを受け取っていたようです。

 

 税理士法では、税理士が業務に関して不正を行った場合、国税当局が調査を行い、2年以内の「業務停止」や、最低3年間は税理士に復帰できない「業務禁止」などの懲戒処分を課すことができます。
実際には年間30~50件程度の処分が行われ、氏名や不正の概要が公表されています。

 ところが現行法では現役の税理士を対象としているため、自主廃業してしまえばそれ以上は調査できませんでした。そしてほとぼりが冷めた頃に復帰する懲戒逃れが横行していたようです。

 そこで令和4年度税制改正において、税理士法が大幅に改正され、『元税理士』も調査できることとなりました。
また本人だけでなく勤務先などの関係人に対しても調査できるように整備されています。
不正が認定された場合は、従来と同様に国税庁のホームページや官報で氏名等が公表され、業務停止や業務禁止の処分が行われます。

 

 改正は令和5年4月1日から適用と少し先ですが、税理士制度の信頼を守るためにも厳しい処分が望まれます。