マイナンバーカードと税金

posted by 2021.11.12

point_happy_woman

 連日、10万円相当の給付など経済対策が報道されていますが、その1つがマイナンバーカード保有者へのポイント還元

 新たにカードを取得すれば5,000円、健康保険証と紐付けて7,500円、預金と紐付けて7,500円で最大2万円をポイント付与するというものです。
お金で顔をはたくようなやり方は賛否が分かれそうですが、2年前に始まったマイナポイント事業では普及率が19%⇒38%に上がっただけに、今回も一定の効果はありそうです。

 

 そもそもマイナンバーの目的「社会保障、税、災害対策」の3分野に用途を限定して、”便利な暮らし、より良い社会”を目指すというものです。

行政としては、マイナンバーが機能することで情報の収集と突合がスムーズになり、所得を確実に捕捉できるメリットがあります。

納税者のメリットは各種手続きの利便性の向上ですが、マイナンバーカードを持っていることが前提であるものが多くなっています。
税金のどの場面でマイナンバーカードが関係してくるか確認しておきます。

 

1.年末調整

<仕組み>

 昨年の年末調整から電子化が始まっています。
マイナポータルを使うことで各種証明書の情報を集約できるので、控除証明のハガキをなくす心配もなく、会社への提出もソフトの連携で完了します。
昨年はまだ対応している生命保険会社等が少なかったのですが、今年は主な生保、損保、共済が対応済みなので使い勝手は向上しています。

前提としてはマイナンバーカードを取得してマイナポータルに登録していること、会社が年末調整を電子化していることがあります。

 

<流れ>

 最初に「マイナポータル⇔e私書箱⇔生保会社等」を連携しておけばマイナポータルに控除証明書等が集約されます。
会社との連携は国税庁の「年調ソフト」や会社が使っているソフトを使います。

 なお、住宅ローン控除については住宅金融支援機構(フラット35など)しかまだ対応できていないので、一般の銀行で住宅ローンを組んでいる場合は従来通り紙での提出となります。

 

2.確定申告

<仕組み>

 電子申告をする方法として「マイナンバーカード方式」と「ID・パスワード方式」があります。
マイナンバーカード方式では、カードをスマホやICカードリーダライタで読み込ませることで本人の証明になります。

 

<手続きメリット>

 生損保以外ではマイナポータルでの連携で「ふるさと納税」「特定口座年間取引報告書」の情報を集約することができます。

 

<節税メリット>

 電子申告することで、事業所得における青色申告特別控除額が55万円⇒65万円に増えます。
なおこの増額は税理士に依頼して電子申告している場合も受けられるので、必ずしもマイナンバーカードが必要なわけではありません。

 

3.各種証明書

 マイナンバーカードがあれば所得税や住民税の納税証明書をコンビニで取得することができます。

 
 確定申告はみんながするわけではないので、年末調整の電子化が普及すればマイナンバーカードのメリットも今よりは感じられるかも知れません。