早いもので9月も今日で終わり。
年度で言うと半期ですが、10月と4月は税金でもいろんなことが変わる時期でもあります。
明日10月1日から消費税のインボイス制度の申請が始まるということもあって「どう対応したらいいですか?」というご質問を最近よくいただきます。
そこでインボイスとは何ぞやというところから登録申請まで確認していきたいと思います。
<インボイスとは>
日本語で言うと「適格請求書」
売手が買手に対して正確な税率や消費税額を伝える書類やデータのことです。
<何が変わる?>
今までの請求書にも税率や消費税額も当然書いてましたが、何が変わるのでしょうか?
それは適格請求書を発行するには事前登録が必要になるという点です。
請求書には登録番号を印字し、登録事業者名は国税庁のサイトに公表されます。
<登録しないとどうなる?>
事業者は受け取った消費税から支払った消費税を控除して差額を国に納めます。
支払った消費税を証明する書類がインボイスです。
たとえ請求者や領収書に消費税が記載されていても、発行した相手が登録事業者でない場合は支払った消費税を控除することができません。
つまり買い手の納める消費税は増えてしまいます。
≪例1≫ 売上11000円 経費6600円(インボイス登録あり)
納税額 1000円-600円=400円
≪例2≫ 売上11000円 経費6600円(インボイス登録なし)
納税額 1000円-0円=1000円
例2では経費支払時に600円の消費税を負担していますが、払った相手先が登録事業者でないため、消費税の計算上控除することができません。
<免税事業者はどうなる?>
2年前の売上げが1000万円以下であれば免税事業者となり、消費税を納める義務はありません。
インボイスに関して言うと、免税事業者は消費税を払っていないので登録事業者になることができません。
取引先からすると消費税が控除できない分10%割高に感じるので他社へ乗り換えるかも知れません。
それは困るということで免税事業者であっても課税事業者を選択してインボイス登録事業者になる動きが増えると想定されます。
このことは”BtoB”の事業者間取引について顕著ですが、サラリーマンが顧客である定食屋さんであれば経費に落とそうとする人がいないのでそもそも登録事業者になる必要がない、ということもあり得ます。
<経過措置>
免税事業者が突然取引から排除されるというのも困るので激変を緩和する経過措置が設けられています。
・令和5年10月1日~令和8年9月30日:未登録でも80%は控除可
・令和8年10月1日~令和11年9月30日:未登録でも50%は控除可
ここまでが「インボイスとはなんぞや」という話で次回は本題の登録申請について見ていきます。