教育資金贈与の絞り込み

posted by 2019.03.27

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 年度末を区切りに変わる税制は多いですが、教育資金贈与もその1つです。
平成31年3月31日までが適用期限となっていましたが、それなりにヒットし、狙った経済効果もあったことから条件を絞った上で延長されます。

 

【従来の制度概要】
 平成25年4月1日~平成31日3月31日までの間に、親や祖父母が30歳未満の子や孫に金融機関を通じて1500万円まで贈与し、その資金が教育費として使われた場合には、贈与税が非課税とされる制度です。
 教育資金はその都度贈与すれば非課税ですが、将来の教育費に充てるための資金をまとめて贈与した場合は課税されます。
しかしこの制度では資金の使途が決まっているため、まとめて贈与しても非課税となります。

 

【改正内容】
 平成33年3月31日まで2年延長した上で、下記の見直しが行われます。

 

①  受贈者の所得制限
 信託等をする日の属する年の前年の受贈者の合計所得金額が1000万円超の場合は、適用を受けられなくなります
(※平成31年4月1日以後の信託等により取得する受益権から適用)

 

②  教育資金の範囲
 23歳以上の教育資金の範囲を、学校等や教育訓練給付の支給対象となる教育訓練に係る費用に限定され、習い事等は対象外となります。
(※平成31年7月1日以後に支払われる教育資金から適用)

 

③  契約終了日までに贈与者が死亡した場合
 贈与から3年以内に贈与者が亡くなった場合、受贈者が23歳以上か学校等に在学していないケースでは贈与の残額が相続財産に加算されます。
(※平成31年4月1日以後の相続から適用。ただし経過措置として平成31年4月1日前に信託された部分の残高については相続財産に含まれません。)

 

④  信託終了事由
 従来の30歳から、学校等の在学中である場合を条件に40歳まで引き上げられます。
(※平成31年7月1日以後に受贈者が30歳に達する場合に適用)

 

 つまり除外されるケースは、①もらう側が所得が多い、②大人の習い事で、③大人への習い事の残額は3年以内なら相続財産に加算されます。
④は年齢に関わらず大学院等に行くケースがあることから、年齢制限が緩和されています。

 

 通常想定される教育資金贈与はほぼ従来通り使えますし、改正前の贈与に関してもさかのぼって増税されるようなこともありません。

 旧制度はまもなく終わりますが、とりあえず2年は延長されましたので、お考えの方は使えるうちに使っておきましょう。