昨日まで令和8年度税制改正大綱について書いてきましたが、税制改正は法案審議や細かい法律の整備などが必要であるため、実施までは少しタイムラグがあります。
令和8年度税制改正大綱のうち、令和8年3月31日に期限が切れるものに関しては、解散総選挙の影響で法案が成立しなかった場合に増税になる可能性があります。
まだ可能性の話なので記事にはしませんが、選挙後に優先的に審議して、税負担増や実務上の混乱が起こらないようにしてもらいたいものです。
本題は退職所得に関する改正です。
と言っても増税や減税の話ではなく、事務的な手間が増える話です。
令和7年度改正で決まったものが、令和8年1月から実施されています。
1.源泉徴収票の提出
① 提出範囲
・従来:役員のみ
・改正:全ての居住者(法人、個人の従業員も対象)
② 提出時期
・原則:退職後1か月以内に3通作成し、1通を本人へ交付し、1通を税務署、1通を市区町村に提出
・例外:税務署は1年分をまとめて翌年1/31に合計表添付でも可能
従来、従業員分で源泉所得税が無い場合は発行自体されていなかったケースもありましたが、今後はもれなく作成し、税務署と市区町村にも提出する必要があります。
2.退職金の受給に関する申告書の保存
・従来:7年間保存
・改正:年金の一時金である場合は10年間保存
これはiDeCo等の一時金を先に受け取った場合、その後9年間の退職金計算に影響するように改正されたためです(退職所得控除の重複の調整)。
3.納付書の書式
退職所得用の納付書に番号を記入する欄が設けられています。
普通の退職一時金であれば何も記入しなくていいですが、iDeCo等の一時金やストックオプションの権利行使が関連する場合は1~7の番号を記入します。
退職金の多様化もあって手間は増えますが、普通の退職金の税金は今のところ増えていないのでまだマシなのかも知れません。


