前回の続きで、上場株式投資について法人と個人の違いを確認します。
5.所得分散
▲ 個人:所得が集中するため、税負担及び財産が集中する
〇 法人:役員報酬という形で家族への分散が可能
個人でも家族へ給料は出せますが、法人の場合に比べて金額は少なくなります。
なお給料として出す場合は社会保険、所得税住民税などがかかることから全体のバランスの中で最適値を検討していくことになります。
6.節税策
▲ 個人:前回見た通り経費算入自体ができないので節税は困難
〇 法人:法人としての活動範囲は広いので節税の余地あり
法人での節税策としては、各種経費算入、車や社宅などの経費化、倒産防止協会や生命保険への加入などがあります。
7.相続税
▲ 個人:運用により増えた財産は相続税の対象
〇 法人:法人には相続という概念がないため、スムーズに承継可能
法人名義であれば相続の際の手続きも特に発生しません。
法人化する場合は株主を子や孫にしておけば相続対策になります。
8.手間・コスト
〇 個人:特定口座やNISA等で完結するため、簡単
▲ 法人:単価計算や法人運営に手間とコストがかかる
個人の場合は申告不要になる制度もあり、手間が少なくコストもほとんどかかりません。
法人の場合は帳簿作成などある程度きっちりする必要があることから手間がかかり、設立費用や税理士顧問料などコストもかかります。
結局はどちらがいいのかというと、通常はやはり税率の低い個人が有利になります。
ただし大規模に投資する場合や、法人に別で損失がある場合など法人で投資した方が有利になるケースもあります。