年末調整リターンズ2018 ⑦ 人的控除

posted by 2018.12.6

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 年末調整7回目は人的控除です。
人的控除とは、所得を計算する上で人に関する個別事情を考慮するための制度です。
全部で8つありますが、すでに確認した配偶者(特別)控除と扶養控除以外の項目を見ていきます。

 

① 障害者控除(一般27万円、特別40万円)

 本人やその控除対象配偶者、扶養親族で、身体障害者手帳の交付を受けている方や一定の機関から知的障害者と判定された方が該当します。
あまり知られていませんが、市区町村等の要介護認定されている方も”寝たきりの状態で複雑な介護を必要とする”として特別障害者控除の対象となる場合があります。

 

② 寡婦控除(27万円)

 本人(女性)が次のいずれかに該当する場合に対象となります。

・扶養親族がいる人で、夫と死別又は離婚した後、婚姻していない場合

・所得が500万円以下(給与収入だけなら688万円以下)で、夫と死別した後、婚姻していない場合

 つまり、離婚の場合は扶養親族がいないと対象にはなりません。

 

③ 寡夫控除(27万円)

 本人(男性)に扶養親族がいて、かつ、所得が500万円以下で、妻と死別又は離婚した後、婚姻していない場合に対象となります。
寡夫は両方に該当しないといけないので寡婦(女性)と比べて条件が厳しくなっています。

 

 

④ 勤労学生控除(27万円)

 本人が大学生や専修学校生などで、所得が65万円以下(給与収入130万円以下)の場合に対象となります。
若かりし頃バイトしていたときにはこんなこと全く知りませんでした。

 

⑤ 基礎控除(38万円)

 すべての人に平等に適用される本人分の控除です。
38万円というのは生活する上でに最低限必要な食費などの金額をベースにしています。

 

 

 上記の中では寡婦控除が少し複雑です。
寡婦のうち、扶養親族である子(16歳未満もOK)がいて、かつ、所得が500万円以下であれば『特定の寡婦』に該当し、一般の寡婦より控除が大きくなります(35万円)
これは女性だけの制度で男性にはありませんのでご注意下さい。

 また離婚にしろ、死別にしろ、一度は結婚していることが前提でいわゆる”未婚の母”には寡婦控除の適用がありません。
ただし、これに関しては従来から問題点として指摘されているため、近々何らかの手当がなされるかも知れません。