年末調整の裏Q&A

posted by 2018.11.14

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 先日、新しい配偶者控除等申告書の書き方について取り上げましたが、その書き方について実務的なご質問をいただきました。
それも含めて基本的な質問とはちょっと違うマニアックなQ&Aをご紹介します。

 

<配偶者控除等申告書>

Q1
 本人の全所得を見積もって記入するようになっているが副業がバレるのではないか。

A1
 副業禁止の会社で素直に雑所得を書くとバレてしまいます。
あくまで”見積もり”なので副業のことはこの申告書に書かず、確定申告する際に合計すればいいでしょう。
副業があることで配偶者(特別)控除の金額が変わる場合はその修正も確定申告で行なうことになります。

 

Q2
 パートの妻の勤務先に私(夫)の所得まで全て報告しなければならないのか。私の所得は124万円を明らかに超えていて妻の方で配偶者(特別)控除はあり得ないのだが。

 

A2
 配偶者控除等申告書は配偶者(特別)控除の適用を受けない場合には提出する必要はありません。ただ実務上は確認の意味で受けない人にも提出を依頼することはあるようです。その場合は所得の見積額を記入せずに「適用を受けない(希望しない)」旨をメモなどで伝えればいいでしょう。

 

<保険料控除申告書>

Q3
 契約者が妻なので控除証明が妻の名前で来ているがは私(夫)の年末調整で使えるのか。

A3
 控除証明の名義がどうなっていても保険料を負担していれば使えます。
なお受取人については要件があります。

≪生命保険≫
・受取人が本人、配偶者、親族(6親等血族3親等姻族)

≪個人年金≫
・受取人が契約者本人又はその配偶者
・受取人=被保険者

 個人年金の方が親族を含まない分、範囲が狭くなっています。

 

Q4
 一時払い保険料は対象となるのか。

A4
 一般の生命保険料控除は払った初年度のみ対象になりますが、個人年金は払込期間が10年以上という要件があるため、対象になりません。
なお、一時払いはどれだけ払っても最初の1年しか控除を受けられませんが、全期前納払いであれば期間に応じて毎年控除が受けられます。

 

 今回は少々マニアックな論点でしたが、年末調整の一般的な内容のおさらいはシリーズものとして近々解説します。