株式投資の指標②

posted by 2018.11.13

kabu_chart_smartphone_woman

 昨日の続きで代表的な株価指標のうち、PBRROEを取り上げます。

 

2 PBR(株価純資産倍率)

<概要>

Price Book-value Ratioの略。
純資産(総資産-総負債)から見て株価が割高か割安か判断するための指標
会社の解散価値に比べて株価が何倍になっているかを見るため、PBRが低ければ割安、高ければ割高となります。
PBRが1倍を下回っていれば、会社の純資産より株式時価総額の方が低いことになります。
その状態で買収して解散すれば残った資産の分だけでプラスになるので、1倍を下回っている場合は割安株と判断され、M&Aの標的となることもあります。

 

<算式>

PBR(倍)=株価÷BPS(一株当たり純資産)

 

<事例>

ZOZO:45.6倍、日本M&Aセンター:17.7倍など身軽で成長性の高い企業のPBRは高くなっています。
逆に東京電力HD:0.35倍、京都銀行:0.45倍など資産を多く持つ企業で低くなっています
日経平均では1.2倍とかろうじて1倍を超えている状況で、アメリカの3.6倍、ヨーロッパの1.9倍と比べると割安な状況と言えます。

 

3 ROE(自己資本当期純利益率)

<概要>

Return On Euityの略。
自己資本(純資産)を使ってどれだけ利益を上げたかという資本の効率性を判断するための指標
ROEが低いと、キャッシュなどの資産を潤沢に持ちながら利益を産むための投資ができていないという観点で投資家から増配を迫られることもあります。

 

<算式>

ROE(%)=EPS(1株当たり当期純利益)÷BPS(1株当たり純資産)×100

 

<事例>

ZOZO:57.4%、カカクコム:47.8%など身軽で成長性の高い企業が多く、顔ぶれはPBRと重なっています。
逆に日本通信:-182.7%、船井電機:-38.9%と赤字の会社で低くなっています。
東証一部上場企業全体では10.1%で上昇傾向にあるもののアメリカ主要企業の約14%に比べると低くなっています。

 

4 PER、PBR、ROEの連動

PER=株価÷EPS(一株当たり純利益)
PBR=株価÷BPS(一株当たり純資産)
ROE=EPS÷BPS×100

指標の目的は違うものの使っている数字は共通しているため、これらの指標は連動して動きます。
例えば、ROEが高くなる(効率的に稼ぐ)と利益が増えてPERは低くなり割安と判断されるため、買いが入り株価は上昇します。

ただし指標はあくまで指標であって、単に自己資本が少ないという理由でROEが高くなっているケースもあります。
指標だけを追うのではなく経営方針や戦略を考慮した上で、数字を読んでいく必要があります。

 

 今回は上場株式の投資判断における代表的な指標をご紹介しましたが、ROEに関しては非上場株式でも出せる指標なので過去の動きや上場企業との比較で自社の状態を診断してみてはどうでしょうか。