青色申告の取り消し

posted by 2018.10.22

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 某大臣のニュースで「青色申告の取り消し」が話題になっていました。
『青色申告の取り消しだけは困るんです』と泣きついたというような話ですが、もし取り消しになったらどう困るのでしょうか。

 

1.信用問題

 日本の個人の6割、法人に至っては9割以上が青色申告です。
青色申告は適正に帳簿をつけることで税法上のメリットが受けられる制度ですが、白色ということは丼勘定であることを宣言しているようなものです。
また法人の場合9割以上が青色申告なので、逆に白色申告だと何かあったのかと勘ぐってしまいます。
設立直後で届出が間に合わなかった場合を別にすれば、脱税等で取り消しがあったことが考えられます。
丼勘定であることと取り消しの可能性から融資や取引において信用度が落ちることが取り消しで困ることと言えます。

 

2.青色申告の特典がなくなる

 適正な帳簿をつけることを前提に個人も法人も様々な税法上の特典があるのですが、青色申告を取り消されると特典を失い、税負担が大幅に増えるケースもあります。
取り消された場合、青色申告の再申請は可能ですが1年は申請できません
申請しても翌期からの適用になるので丸2期は白色申告で提出することになります。

 

 どういう場合に青色申告が取り消されるのか、青色申告にはどのようなメリットがあるのかについては次回以降見ていきます。

 ちなみに『青色申告』という名称は青色の紙で出すことに由来しています。逆に『白色申告』という名称は法律上存在せず、青色でない無印の申告書ということになります。
最近ではコストの問題からか青色の紙は使われておらず、法人の申告書では端っこに「青色申告」と書いてあるだけです。