有給休暇と税金

posted by 2018.10.19

yuukyuu_kyohi_man

 2019年4月から最低年5日の有給休暇消化が義務づけられます
このような改正は中小企業は当初軽減されることが多いのですが、有給休暇については中小企業含めて全企業が対象です。
また要件を満たせばパートの方にも適用があります。
中小企業にとっては費用面よりも、現場に人手が足りないのでその対応が悩ましいところです。

 

 有休と税金の関わりですが、普段は特に意識することはありません。
勤務日数が少ないだけで給与の計算には影響しません。

 

 税金に関係してくるのが退職時です。
退職時に有休が残っている場合の対応としては2パターンあります。

 

① 最後に有休を消化

 勤務自体が終わったあとも残った有休の日数分、給与を支給する方法です。
社会保険や所得税も通常どおり計算するので特に変更はありません。

 

② 買取り

 有給休暇の買取りは通常は認められていません。
休暇はリフレッシュしてもらうためのものなのでお金で解決するのはまかりならん、という考え方です。
ただし次のような場合は例外として買取りが認められています

・労働基準法に定める日数以上に会社が付与している場合の超過分

・2年の時効で消滅したもの

退職時の未消化分

 

 退職時に未消化分を買い取った場合の税金の取扱いは通常と変わります。
退職をきっかけに支給しているため「退職所得」に該当します。
退職金は1年あたり40万円の非課税枠があるため、税金がかからないケースが多いです。

 最後に有給消化すると通常の所得税がかかるのに対し、買取りで退職金扱いだと所得税がかかりにくいことから税負担は買取りの方が少なくなります
さらに社会保険に関しても退職金部分には発生しません

 

 退職する従業員にとっては「買取り」の方が手取りが増えるメリットがあるのですが、買取りはあくまで”会社が「できる」規定であって「義務」ではありません。
実際の取扱いについては就業規則等で確認する必要があります。