万馬券の申告

posted by 2018.10.11

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 馬券の払戻金に関する通達が改正されているので書こうと思っていたら、「そもそも申告されていない」という発表が会計検査院から出ていました。

 会計検査院「国会及び裁判所に属さず、内閣からも独立した憲法上の機関として、国や法律で定められた機関の会計を検査し、会計経理が正しく行われるように監督(会計検査院HPより)」する機関です。
最近では商工中金の不正融資問題や東京オリンピックの事業費などを強い権限によってチェックしています。

 

 その権限に基づきJRAや地方競馬などの公営ギャンブルの主催者から高額払戻金の実態を聞き取っています。
2015年の1年間で1050万円以上の払戻金が530件、合計127億円あり、そのうち申告されていたのが20数億円。
金額にして約8割にあたる100億円が申告されていないことになります。

 それもそのはず通常に馬券を買った場合は、払戻金が100万円だろうが1億円だろうが住所も名前も聞かれずに別窓口で現金で渡されるそうです。
即PATなど通帳やクレジットカードを介した取引では名前の特定は可能なので、申告している2割の方はそういう方かも知れません。

 もちろん「ばれませんよ」という話ではなく預金や資産購入など他の部分からも調べようはあるので税務署を甘く見ないようにしましょう。

 

 馬券の払戻金は原則として「一時所得」に該当し、当たり馬券の1枚分の購入代金だけが経費となります。
一時所得は50万円控除して✕1/2してから税率を掛けていきます。
サラリーマンであれば、年間90万円までの儲けであれば50万円引いて✕1/2すると20万円以下になるので申告不要です。

 裁判では外れ馬券も含めて経費になる「雑所得」という主張が行なわれ、納税者勝訴により通達が何度か変わっています。
次回は本題である一時所得の最新通達について見ていきます。