税務調査実況中継 相続税編③

posted by 2018.09.20

memo_man

 前回からの続きで税務調査実況中継 相続税編、いよいよ調査当日です。
時系列に追っていきます。

 

9:55
・ほぼジャストの時間に税務署の方が自宅へ到着

<解説>
 1人で来られるケースが多いですが、2人のこともあります。
事前に人数と担当者は税理士に連絡があるので、どのぐらいのキャリアの方が来られるか(≒どれぐらい力が入っているか)が分かります。

 

10:00
・名刺交換
・時候のあいさつ、近隣の様子など世間話

<解説>
 相続人の方がリラックスして話しやすいように他愛もない世間話から入ります。

 

10:10
・調査の趣旨説明

<解説>
 調査対象の説明、場合によっては特にこの点(例:預金の動きなど)を確認したいです、とメインテーマを伝えてくる方もおられます。
また「銀行調査も行かせていただきますので」という説明があることも。
職権があるのでわざわざ予告する必要はありませんが、あとで相続人の方が銀行の担当者から聞くと気悪いので一応伝えているようです。

 

10:20
・被相続人についてのヒアリング
・生い立ち、職業、病状、入院履歴、死亡原因など。

<解説>
 生い立ちや職業からは収入と財産を推定し、病状からは本人の意思表示がいつまでできたか、入院履歴からは銀行手続き等を自分でできたのかなどを推定しています。何気ない質問にも意図はあります。

・財産管理の状況
・貸金庫の有無

<解説>
 日々の財産管理を亡くなる直前まで本人がしていれば相続人が分からないことも多いですが、相続人、例えば奥様がほとんどやっていたとなると預金の動きなどについて「知らない」とは言いづらくなります。

 貸金庫については近くであれば銀行に一緒に行って中身の確認をすることも稀にあります。
貸金庫はたとえ職権でも勝手に開けて中を見ることはできませんが、いつ開けに来たかは銀行で調べることができます。
相続調査直前に急に開けたりしていると変に怪しまれます。

 

10:45
・相続人についてのヒアリング
・職業、家族構成など

<解説>
 収入や年齢からどれぐらいの財産があるのが自然かを推定します。
例えば、未成年や専業主婦であまりに預金が多いと申告外の生前贈与があったのでは、という話になります。

 

 ここまでで約1時間。
長くなるので具体的な財産に関するやり取りは次回へ続きます。