賃上げ税制における経営力向上とは

posted by 2018.08.24

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 昨日の続きで賃上げ税制の上乗せについて見ていきます。

 税額控除を10%上乗せするための要件は2つあります。

・平均給与が前期比で2.5%増

・教育訓練費が前期比10%増
  又は
 経営力向上の認定を受け、経営力向上が証明されること。

 

 昨日教育訓練費を取り上げたので今日は経営力向上を取り上げます。

 

① 経営力向上計画とは

中小企業等経営強化法に基づき、マネジメント向上や設備投資など自社の経営力を向上するために実施する計画。
認定されると固定資産税の3年軽減や中小企業投資促進税制による税額控除、融資支援などを受けることができます。

 

② 計画の認定

計画書はA4で10枚程度のボリュームで会社の現状や課題、経営力を向上させるための取り組みを記入して地域の経済産業局等の認定を受けます。
認定を受ける期限は決算期末で、決算期末までに計画をスタートしなければなりません。
認定は経済産業局等とやり取りをしながら1~2ヶ月かかるので決算から逆算して早めに取り組む必要があります。

 

③ 経営力向上の証明

経営力が向上していることを報告書を提出して証明します。
何をもって”経営力の向上”かというと指標が決まっています。
基本は「労働生産性」でそれ以外では「売上高経常利益率」「付加価値額」、業種によっては「勤続年数」や「離職率」なども認められます。
これらの指標が計画策定時より向上していれば上乗せ措置が受けられます。

 

④ 申告時の添付書類

・経営力向上計画のコピー
・経営力向上計画の認定書のコピー
経営力向上報告書(WEBフォームからPDFで出力)

 

 生産性向上の取り組みに対して国のお墨付きをもらった会社、かつ結果を出している会社を優遇するという理屈は分かるんですが計画書作成はそれなりに手間がかかります。
すでに固定資産税軽減や設備投資減税のために計画の認定を受けていれば、あとは報告書だけなのでまだマシですが計画を一から作るのは大変です。
それに比べれば教育訓練費の前期比10%増の方が狙いやすいと言えます。