三為契約と税金

posted by 2018.07.2

tochi_forsale

 不動産を買うと通常不動産取得税登録免許税がかかります。

不動産取得税:土地1.5%、建物(住宅)3%、建物(住宅以外)4%
登録免許税 :土地1.5%、建物2%(個人の居住用なら0.3%)

 不動産業者さんの場合も同様にかかりますが、仕入れてすぐ売るのに税金を取られては利益が目減りしてしまいます。

売主A⇒不動産業者B⇒買主C

 そこでBの所有権をスルーする「中間省略登記」という制度があったのですが平成16年に禁止され、今は「第三者の為にする契約(通称さんため)」が行なわれています。

 Bが儲けすぎて社会問題化しているケースもありますが、Aにとっては瑕疵担保責任を免れる、Cにとっては融資通過済み、瑕疵担保責任をBに2年は請求できるというメリットもあります。
詳細は司法書士さんのサイトを見ていただくとして、ここでは税金の問題を見ていきます。

 

 裁判ではなく国税不服審判所の事例です。
はっきり三為契約とは書いていませんが状況から考えると該当すると考えられます。

【事例】
・A⇒B 250万円で売買。
・B⇒C 1150万円で売買。
・AとBは恐らく関連会社。

【税務署】
・Bが買った実態はなくAからCへの直接売買。
・Aの利益は900万増加。

【審判所】
・BとCの契約は有効。
・時価を1070万と認定。差額は820万円は寄附金になりAの利益増加。

 

 契約自体はそれぞれ有効とした上で、時価を分かった上で安く売買している点を寄附金と認定しています。
何事も度が過ぎるのは危険ということです。

 なお、この事例は関連会社間なので寄附金認定されていますが、A、B、Cが無関係であればそれぞれが時価と認識していることになり、寄附金ということにはなりません。