医療費控除Q&A ② 医療費通知

posted by 2018.02.19

nagedasu_hakui_man

 前回の続きで医療費控除Q&A、特に医療費通知について取り上げます。

 医療費控除は領収書を取っておくのも大変だし、数が多いと集計も大変です。
健康保険組合から年明けに1年間の医療費一覧が送られてきますが、これが使えたら楽やのになと前から思ってたんですが、それが今回から制度化されました。
かなり楽になる!と期待したんですが果たして…。

 

Q5 どう変わる?

A5 医療費通知があれば明細書記入も領収書の5年保存も不要

具体的には、医療費通知を書類またはデータ(XML形式)で申告書に添付します。
医療費通知には次の項目が記載されている必要があります。
①被保険者氏名 ②治療を受けた年月 ③病院薬局の名称 ④治療を受けた人 ⑤金額 ⑥保険者等の名称

 

Q6 医療費通知に記載のない医療費は?

A6 医療費控除の明細書に内容を記入。

保険の効かない自由診療、薬局での薬の購入費、年末ギリギリの医療費などは健康保険組合等から届く通知には載っていません。
これらは別途拾い出して医療費控除の明細書に記入します。

逆に医療費助成などにより窓口負担がない場合でそのことが医療費通知に反映されていない(負担していないのに通知の中では3割負担したことになっている)ときはその旨も余白に記入します。
医療費控除は実際に払った金額がベースとなるので払っていないものは控除できません。

 

Q7 医療費通知と実際の支払額に誤差がある。

A7 医療費通知のまま控除してOK

医療費通知は保険点数を元に作成されているので実際に窓口で支払った金額とは端数処理で誤差が出ることがあります。
この場合は医療費通知のまま控除してOKです。

 

Q8 不完全な医療費通知(本人負担額の記載なし)

A8 使用できないので原則通り医療費控除の明細書を作成します。

医療費通知に10割負担額しか記載がない場合には添付書類として使用することはできません。
その場合は原則に戻って医療費控除の明細書を作成することになります。

 

Q9 不完全な医療費通知(病院名の記載なし)

A9 病院名を手書きで補足すれば医療費通知を使用できます。

意外とアナログな解決方法ですが、医療費の明細書を書いてるのと同じということなのでしょう。

 

 こうして見ると言うほど楽にならない気もします。
初年度なので仕方ない部分はありますが、各健康保険組合間で書式で統一し、必要項目を漏れなく入れてもらえれば活用は進みそうです。