赤字法人の1割が実は黒字!?

posted by 2017.02.20

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 赤字申告をしている法人のうち実は1割が黒字という衝撃のニュースがありました。
どういうことかと言うと国税庁が調査した法人約3万3千件のうち約8000件で不正が見つかり、その半数が赤字と申告していた黒字法人というものです。

 

 元々黒字法人が33%、赤字法人67%という割合なので1割が黒字だとかなり状況が変わりますが、今回の統計はあくまで調査した約3万3千件の中での結果です。
つまり何かしら怪しいと思って調べているケースもあるので赤字法人全体173万社の1割が実は黒字というわけではありません。

 

 また黒字法人33%と言いつつ、決算書では実は黒字という法人が約6割あります。
これは黒字であっても過去の赤字(繰越欠損金)を消化している会社は赤字法人に集計されているためです。

 

 赤字法人にはあまり税務調査は来ません
というのも少々売上のもれや経費の”見解の相違”があっても赤字が減るだけで法人税が発生しないためです。
ただし赤字を出しても業績が回復してきて繰越欠損金が減ってくると調査により赤字から黒字に転換するケースもあります。
「赤字法人の1割が実は黒字」の中にはこういうケースも含まれていると考えられます。

 

 何が言いたいかというと赤字法人は確かに税務調査には来にくいですが、繰越欠損金がなくなってくると調査の可能性がかなり上がりますので書類の整備など抜かりなく準備しておきましょう、ということです。