役員は賞与をもらうことができません。
役員は自分で金額を決めることができるので利益が出そうだから賞与を出そう、と操作できるためです。
そのため経費というより利益処分に近い性格とされ、支給しても経費になりません。

　それでも従業員と同じ時期に賞与を出したい！、住宅ローンもボーナス払いだし！という場合はどうすればいいのでしょうか。

　方法は２つあり、１つは使用人兼務役員としての支給、もう１つは事前確定届出給与です。

 

＜使用人兼務役員＞

取締役営業部長のように従業員と役員の両方の身分がある場合は従業員分に対して賞与を支給することができます。
例えば、月額５０万円のうち１０万円が役員報酬、４０万円が従業員分であれば、賞与は４０万円×係数１．５倍＝６０万円となります。
１．５倍というのはあくまで例ですが他の従業員と比べて不自然に高くないことが前提です。

 

＜事前確定届出給与＞

兼務役員ではない純然たる役員の場合は現実的にはこちらの方法しかありません。
これは名前の通り事前に賞与の支払額を届けておいてその通りに出すというものです。
業績がよくて出すのが賞与なのに届けた通りに出すなら割り方を変えただけでは？と突っ込まれそうですが実はその通りです。
また厳しいことに５０万円で届けたけど業績がもひとつだったので２０万円にするというのも認められません。
利益調整という扱いになり２０万円も経費になりません。
こういう場合はいっそ支給０円にした方がいいことになります。
０円なら否認のしようがありませんので。

 

事前確定届出給与の届出期限がちょっと複雑なので明日へ続きます。