今年の確定申告から「財産債務調書」が始まります。

去年までは「財産及び債務の明細書」と呼ばれていたものです。
「明細書」は年間所得２０００万円超で提出義務がありましたが「調書」では財産が３億円超又は国外へ持ち出した株が１億円超という要件も加わりました。

つまり

・所得２０００万円超かつ年末時点の財産３億円超
・所得２０００万円超かつ１億円超の国外転出特例財産（株の海外移転）

このどちらかに当てはまれば提出義務がありますが、ストックの条件が追加になった分範囲は狭まっています。

 

　従来の「明細書」は義務ではあるものの罰則がないため、あまり提出されていませんでしたが、「調書」では罰則というかアメとムチが導入されました。

・調書に書いていない財産に関連して所得税の修正があれば過少申告加算税が５％上乗せ
・逆に調書に書いておけば相続税及び所得税の修正があれば過少申告加算税が５％軽減

　修正があった時という限定付きのムチであり、相続税の漏れは現時点ではムチの対象外なのであまり厳しいとは言えず、それほど必死で提出する動機づけにはならないでしょう。

　罰則はともかく提出する場合はどの程度厳密に書けばいいのでしょうか。
そのあたりのさじ加減は明日へ続きます。