前回の続きで小規模宅地等の特例(居住用)について見ていきます。
亡くなった方が住んでいたことが前提ですが、亡くなった時に病院や介護施設に入っていた場合はどうなるのでしょうか。
その場合、病気や介護がなければ自宅にそのまま住んでいたと考えられるので一定条件のもと小規模宅地等の特例の適用があります。
① 病気で入院
<状況>
・病気で入院して、自宅に戻ることなく病院で亡くなった
→治癒すれば自宅に戻るため、自宅に住んでいないことは一時的な状態であり、住んでいたものとされます
<要件>
・入院後に自宅を貸付けなど他の用途に使っておらず、いつでも帰れる状態にある
② 介護で入所(平成26年以後適用あり)
<状況>
・老人ホーム等に入所して、自宅に戻ることなく施設で亡くなった
→介護を受ける必要があることからやむを得ず施設に入っており、住んでいたものとされます
<要件>
・亡くなった方が要介護認定または要支援認定を受けている
・いつでも自宅に戻れるように維持管理されている
・入所後に新たに他の者の居住用や貸付用に使っていない(元々同居していた人が住み続けているのはOK)
・施設の範囲は、有料老人ホーム、特養、老健、サ高住、介護医療院、障害者支援施設など
・老人ホーム等の所有権または終身利用権を取得していない(≒引越し)
・住民票の異動状況は問わない(老人ホーム等に移していてもOK)
実際には様々な状況が想定されるので、次回事例で確認していきます。
(つづく)


