トクリュウなるものが暗躍しています。
トクリュウとは「匿名・流動型犯罪グループ」の略で、特殊詐欺や窃盗のほか、虚偽の確定申告で所得税還付を受ける不正を組織的に行っています。
またトクリュウに限らず、脱税コンサルの指南により”副業”として不正な還付申告をする事例も増えています。
所得税の不正還付は2023年度で597件あり、3年前の3倍以上となっています。
トクリュウの場合の不正な手口は次のようなものです。
① 闇バイトが確定申告用のIDを取得し、トクリュウに提供
② トクリュウが架空の確定申告(給料+副業のマイナス)
③ 還付金が闇バイトの口座に入金
④ 闇バイトからトクリュウに分配金支払
このような不正が可能な要因としては、
・給与所得の源泉徴収票は誰でも作れて、偽物も見抜くのが難しい
・少額の還付まで税務署はチェックし切れない
といったことがあります。
犯罪に限らず不正に還付を受ける事例も増えていたことから、副業のマイナスについては令和4年分から給与所得等と損益通算しにくいように改正されています。
副業の年収が300万円以下の場合、原則として損益通算ができない雑所得に区分されます。
一定条件を満たせば例外的に損益通算は可能ですが、実際に300万円以下でも問い合わせを受けたことがなく、そこまでチェックし切れていないことが伺えます。
ただ調べればいずれ不正は分かりますし、今後はマイナポータルとの連動やAIにより、不正が露見しやすくなることが考えられます。
不正還付はれっきとした犯罪ですので、軽い気持ちで不正に手を染めないようにしましょう。


