おひとりさまの相続 ①

posted by 2025.08.28

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 おひとりさまの相続に関わる問題は多岐にわたります。
葬儀の手配、各種行政手続き、遺品整理、不動産登記…

 

 一口に「おひとりさま」と言ってもいろんなタイプがありますので、タイプ別に法務及び税務の手続きについて確認します。
ここでいう「おひとりさま」は、生涯未婚の方、配偶者と死別又は離婚していて子どもがいなくて父母も亡くなっている人を指しています。

 

1.兄弟姉妹あり

① 法務

・兄弟姉妹が相続人

・兄弟姉妹が亡くなっていればその子(甥姪)が代襲相続しますが、甥姪が亡くなっていてもさらにその子まではいきません。

 

② 税務

<相続税>

・一親等の血族及び配偶者でないため、相続税は2割増し

・小規模宅地等の特例は通常どおり適用可能(相続人が申告期限までに居住又は事業継続)

「家なき子」の特例(自宅土地を80%軽減)にも該当しやすい(配偶者及び同居親族なし、相続人が持ち家なし、申告期限まで所有など)

<所得税>

・相続人が売却した際に要件を満たしていれば「空き家の3000万円控除」を適用可能

・主な要件:昭和56年5月31日以前に建築、耐震工事又は取り壊し、令和9年末までに売却、売るまで空き家のまま等

 

2.遺言あり

① 法務

・遺言通り個人や法人に引き継ぐことが可能(相続人がいたとしても兄弟姉妹なので遺留分がなく、遺留分侵害額の請求を受けることがない)

・法人に包括遺贈した場合は遺産分割協議の当事者となって、財産だけでなく債務も承継する。寄付される公益法人等は包括遺贈を望まないケースもあるため、生前に要相談。

② 税務

・個人が受け取り:通常どおり相続税の課税対象

・法人が受け取り法人税の対象。ただし公益法人やNPO法人等への寄付で一定要件を満たせば法人税非課税

・みなし譲渡

 不動産や株式を法人に遺贈した場合は被相続人の譲渡所得に該当。
準確定申告の義務は兄弟姉妹などの相続人がいれば、相続人が負う。
納税も相続人に発生するので必要資金は別途遺言で手当しておくことがベター

 

(つづく)