決算での株の評価額

posted by 2025.07.18

syouken_torihiki_man

 会社で株式投資をすることがありますが、決算の際に取得価額か時価かどちらで表示すべきものなのでしょうか。

株式には大きく分けると上場株式と非上場株式とがありますが、時価の分かりやすい上場株式を例に見ていきます。

 

1.会計上の観点

<大企業>

 上場していて監査が必要な大企業が株式投資をする場合、基本的には決算時の時価で評価しますが、取得目的によって違いがあります。

① 売買目的有価証券(短期間の価格変動による運用目的)

期末で時価評価、評価差額は損益計算書に表示

② その他有価証券(①③以外)

期末で時価評価、評価差額は貸借対照表の純資産の部に表示

③ 子会社株式等(企業支配目的)

原則は取得価額のまま、時価が著しく下落すれば減損処理

 

<中小企業>

 理論的には大企業と同じ処理になりますが、実際には時価評価を強制されていないことから、2の税務上の取り扱いに合わせるケースが多いです。

 

2.税務上の観点

① 売買目的有価証券

期末で時価評価、評価差額は損益計算書に表示

② その他有価証券(①③以外)

⇒取得価額のまま

③ 子会社株式等

⇒取得価額のまま

 ①は会計と税務が一致していますが、②③は損益が確定していないため、取得価額のままとなり、含み益や含み損を計上しません。

 なお、①の「売買目的」をどうやって決めるかというと会社の”気持ち”です。
運用目的なので決算の際に時価評価しよう、と決めて「売買目的有価証券」という科目で記帳すればそれは「売買目的」になります。

 ファンドラップのように明らかに運用目的であっても、会社が「売買目的でない」と決めれば、②に該当し、時価評価の必要はありません。

 ただし、信託銀行に金銭信託としてお金を預けて株式として運用する場合は、さすがに完全に運用目的なのでよほどの反証がない限り「売買目的有価証券」という科目で記帳して決算の際に時価評価する必要があります。