前回の続きで種類株式の相続税評価について見ていきます。
種類株式は9種類あって様々な機能がありましたが、相続税評価は意外にシンプルです。
機能を財産価値として測定することが難しいので、原則は通常の非上場株式の評価で、例外として2パターンだけ別の評価方法が定められています。
1.無議決権株式
① 原則:そのままの評価
② 例外:5%減
<要件>
・申告期限までに遺産分割協議ができている
・全ての同族株主が所定の届出書を提出
・評価額の算定根拠を別紙で添付
なお、5%減した分は議決権がある人にプラスするのでトータルの評価額は原則と例外で同じになります。
2.社債類似株式
9つの種類株式の中に”社債類似株式”という区分はありませんが、組み合わせることで社債に似た性格になるものは社債として評価します。
<要件>
① 配当優先
② 残余財産分配:発行価額を超えない
③ 議決権制限 :議決権なし
⑦ 取得条項付 :一定期日に発行価額で買い取り
⑨ 取得請求権付:他の株式を対価とする取得請求権を有しない
<評価>
・社債類似株式:発行価額で評価
・社債類似株式以外:社債類似株式部分を社債として評価(資本金から外して負債扱い等)
種類株式シリーズようやく完結です。
次回は種類株式とは似て非なる「属人的株式」について見ていきます。