経費とは ⑤

posted by 2025.05.30

tatemono_danchi
 昨日の続きで個人と法人で取り扱いの異なる経費について見ていきます。

 

⑤ 代表者の退職金

・個人:代表者本人に退職金の概念なし。小規模共済はあり

・法人:退職金支給は可能

 自分で自分に退職金を払うという概念はありませんので、個人事業主に退職金はありません。ただし小規模共済に加入することで積み立てをして、将来引退時に退職金の扱いで受け取ることができます。掛金支払い時は全額所得から控除できて、受け取る時は退職金と同様の税制上の優遇があります。

 法人で役員退職金を支払う場合は、好きに決めて利益調整できてしまうため、予め「役員退職金規定」を作成しておいて株主総会等で決定する必要があります。

 

⑥ 生命保険料

・個人:経費にならない。生命保険料控除のみ

・法人:加入の仕方によって一部又は全部の経費化可能

 個人で加入する場合は個人的なものなので経費にはならず、生命保険料控除で年4~5万円控除できるだけです。
法人の場合は会社で加入することで将来の役員退職金や事業資金の確保に備えることができます。

 なお従業員の福利厚生目的の保険については、個人でも法人でも加入できます。

 

⑦ 役員社宅

・個人:代表者本人が社宅扱いにすることは不可

・法人:会社で借り上げ、又は購入すれば社宅扱いで経費化可能

 法人の場合、役員といえども雇われの身なので会社で社宅を用意することができます。賃貸物件を借り上げる、あるいは会社で物件を購入する、いずれの方法も可能ですが、購入する方がより多く経費を計上できます。
社宅に住む場合は一定の算式で計算した社宅家賃を会社に支払う必要があります。

 個人の場合、自分で自分に社宅を用意することはできませんが、賃貸の自宅を仕事にも使っている場合は使用状況に応じて最大1/2程度の家賃や光熱費を経費にすることはできます。

 なお、保険と同様に従業員の社宅については、個人でも法人でも経費化が可能です。

 

 7つの項目を見てきましたが、法人の方が経費にできる幅が広い傾向があります。
法人にすることで手間やコストは増えるものの、節税の選択肢は増えるので、そのことも法人化する理由になっています。