経費とは ④

posted by 2025.05.29

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 前回の続きで個人と法人で取り扱いの異なる経費について見ていきます。

 

① 交際費

・個人:限度なし

・法人:原則損金不算入、中小企業には年800万円の枠

 個人に交際費の限度枠はありませんが何でもOKという意味ではなく、事業に関係のないものであれば経費から外れます。

 

② 家事費

・個人:事業用とプライベートを按分して経費化

・法人:原則は全て事業目的として経費、実際は内容で判断

 車や自宅などを事業に使っている場合は使用頻度や面積など合理的な基準で区分して、事業に関係する部分だけが経費になります。
法人は営利目的で存在するので考え方としては全て経費ですが、実際にはプライベートの部分は経費から外れ、役員への貸付けや役員賞与になります。
項目としては、家賃、減価償却費、水道光熱費、通信費、租税公課(固定資産税や自動車税)などがあります。

 

③ 代表者の給料

・個人:事業主に給料はなく、残った利益が事業所得

・法人:役員報酬として軽費(定期同額の要件あり)

 法人で役員報酬として支給することで給与所得控除(サラリーマンのみなし経費)が使えます。個人の事業所得に比べるとその分所得が圧縮されるので節税になります。

 

④ 家族の給料

・個人:生計一親族は専従者として届ければ経費化可能

・法人:生計一親族であっても役員または従業員として支給が可能

 専従者給与は事前に届け出が必要で、その名の通り専従が条件であるため、兼業や副業ができません。
法人での役員報酬や従業員給料については兼業や副業に特に制限はありません。

 賞与については、個人の専従者給与の場合は届出で枠取りしておけばその範囲で出せるので比較的に柔軟に使えます。
法人の役員報酬の場合は、賞与は原則経費になりません。事前に届け出ておけば賞与の支給は可能ですが、届出通りピッタリ支給する必要があります。

 なお個人で生計別親族に給料を出す場合は届出は不要で、兼業や副業についても特に制限はありません。

 

 長くなったので残りの項目は次回へ続きます。