よく使われる節税として「少額減価償却資産の特例」があります。
単価30万円未満のものは一括で経費にできるという規定なので、決算ギリギリで購入しても効果があります。
効果があるだけに節税とのイタチごっこで頻繁に改正も行われています。
① 対象法人
・青色申告
・中小企業者〈※1〉または農業協同組合等
・常時使用する従業員が期末時点で500人以下 (特定法人〈※2〉は300人以下)
・個人は青色申告で従業員1000人以下
※1 中小企業者
・資本金1億円以下
・株式の1/2以上を同一の大規模法人(資本金1億円超、従業員1000人超、大法人の完全子会社等)に所有されていない
・株式の2/3以上を複数の大規模法人に所有されていない
・グループ通算制度の他の通算法人が資本金1億円超、従業員1000人超でない 等
※2 特定法人(令和6年4月1日以後開始事業年度~)
・電子申告が義務化されている資本金1億円超の内国法人、グループ通算法人、相互会社、投資法人、特定目的会社
② 対象資産
・単価30万円未満の資産(有形、無形、リース、中古もOK)
・税込経理なら税込み、税抜経理なら税抜きで判定(∴税抜経理の方が上限は1割大きい)
・年間合計300万円まで(平成18年に要件追加)、設立年などで期間短い場合は月割り
・貸付用を除く(令和4年4月1日以降取得分から)
③ 手続き
・損金経理(消耗品費、備品費、減価償却費など科目は自由)+事業供用
・明細書を添付(法人なら別表16(7)、個人なら償却明細に「措法28条の2」と記載して明細を別途保管も可)
④ 注意点
・措置法の特別償却、税額控除、圧縮記帳と重複適用は不可
・単価を落とすために明細を書き換えてもらうのは仮装行為として重加算税の対象になることもあります。
令和4年の改正については、ドローンなどを大量に買って貸し付ける節税スキームが横行したことによる対抗策です。
令和6年の改正については、通常の会社は資本金1億円超の時点で以前から対象外であるため、影響があるのは農業協同組合等だけになります。