AI相続調査

posted by 2025.04.28

ai_shigoto

 今年の7月から相続税の税務調査にAIが活用されるようです。

 従来から法人税や所得税では調査先の選定にAIが使われていましたが、7月からは相続税にも導入されます。
基礎控除が下がってからは亡くなった方の約1割が申告必要となっているだけに、効率よく漏れなく調査することが狙いです。

 

<対象>

・令和5年以降に発生した相続で申告書の提出があるもの

 

<方法>

① 全国の申告書データを国税庁に集約

② AIが過去の申告漏れデータや支払調書の情報と照らし合わせ

③ AIがスコア付け(0~1の0.01刻み、1が申告漏れリスク高い)

④ スコアを元に各国税局や税務署で調査先を選定

 

 配当や保険など各種支払調書が出ている場合は漏れはすぐ見つけられそうですが、過去の申告漏れ傾向からどうやってリスクをスコア付けするのかは気になるところです。

 

 例えば次のようなことが考えられます。

・相続税額が大きい

・所得の大きい職業に就いている

・預貯金の割合が高い(申告漏れの3~4割は預貯金)

・外貨預金や不動産など海外に関連する相続財産がある

・賃貸不動産が多い割には預貯金が少ない

・所得税の申告に株や不動産などの多額の売却がある

・借入金があるのにそれに見合う資産がない

・家族の財産が多い、増加傾向にある

 

 表面的な情報はすぐ分かりそうですが、過去の申告や家族の情報など複合的に判断する要因はどこまでAIが考慮するのかまだ読めません。

 AIに負けないように我々もレベルアップしなければと思います。