昨日で最終回のつもりでしたが、申告について書けてなかった点があるので事例で補足します。
<期限後申告>
Q1.売却損だと思って確定申告しなかったが、後で計算すると売却益だった。
A1.期限後申告によって3000万円控除OK
不動産を売却した場合でもマイナスであれば確定申告の必要はありません。
ただし、買値>売値でマイナスと思い込んでいたものの、建物の減価償却費を計算したらプラスになることはあり得ます。
3000万円控除は確定申告することが条件ですが、期限後申告も認められているので適用が可能です。
Q2.売却損と思って譲渡所得の申告はしていなかったが、医療費控除で確定申告はしていた。
A2.更正の請求での3000万円控除は不可
当初の確定申告は正しく行われているため、更正の請求(還付のための修正申告)ができる理由がありません。当初申告で譲渡所得の申告をしなかったことは「3000万円控除の特例を使わないという選択をした」ということになります。
したがって3000万円控除を使わない状態で自宅売却の修正申告をすることになります。
<修正申告>
Q3.3000万円控除を使った後にローンで自宅購入。修正申告をして3000万円控除を今からやめれるか。
A3.修正申告は不可。住宅ローン控除は13年分全く使えず。
Q2と同様、当初申告で3000万円控除を使ったこと自体は間違いでないため、修正申告できる理由がありません。したがって前3年+後3年は併用不可であるため、住宅ローン控除は使えません。この場合、住宅ローン控除は3年過ぎれば使えるというものはなく、1年目がダメなら13年ずっとダメです。
Q4.住宅ローン控除を使っていたが、その途中で売却した。3000万円控除は使えるか。
A4.3000万円控除OK。ただし前2年分の修正申告をして住宅ローン控除を取り消す必要があります。
順番的にやむを得ない部分もあるため、この場合は3000万円控除を使えます。併用不可のルールがあるため、売った年は当然受けられないとして、その前の2年は修正申告をして住宅ローン控除を取り消すことになります。
順番を含めてややこしい部分もあるので、どの特例を使うかは専門家に相談しつつ慎重に判断するようにしましょう。