昨日相続に関係のある士業を取り上げましたが、書き切れなかった分があるので補足します。
① 測量士
相続した土地に関して、相続税を支払うために売却するケースや、分けやすくするために分筆や共有物分割をするケースがあります。
売却するには通常近隣との境界を確定させる必要があり、分筆や共有物分割をするには正確な測量が必要です。
関連する士業としては測量士と土地家屋調査士とがあります。
測量士は測量全般を行うのに対して、土地家屋調査士は登記を前提とした測量や境界確定を行います。
相続に関連する分野では土地家屋調査士の方がカバーする範囲は広いと言えます。
② 宅地建物取引士
士業というよりは不動産会社のイメージが強いですが、不動産を売却する際や相続後に賃貸する際にお世話になることになります。
様々な士業とも連携しているので専門家を紹介してくれることもあります。
③ 中小企業診断士
いわゆる中小企業のコンサルタントなので相続というより事業承継の場面で相談に乗ってもらうことになります。
手続きというよりは経営面でのアドバイスを受けることができます。
④ FP技能士(CFP等)
家計のホームドクターであるファインシャルプランナーは個人のお金の専門家で、年金、保険、金融、相続税など幅広い分野をカバーしています。
金融機関の方が取得しているケースも多いです。
③中小企業診断士と ④FPには共通する次のような特徴があります。
・浅く広い知識があり、全体像を把握した上でコーディネートができるので最初の相談相手に適している。
・人脈が広く、必要に応じて適切な専門家を紹介してもらえる。
・業務範囲が広いため、得意分野は人それぞれ。相続に詳しい人も当然います。
前回と合わせて各士業の業務範囲はだいたい把握できたとして、その各士業の中の誰に頼むかという問題もあります。
相続に関連する業務は特殊性もあるため、場数を踏んでないと分からないこともあります。
税金に絞っていうと、所得税や法人税は毎年申告するので後で辻褄を合わせることができますし、合わない税理士は翌年から変更すればいいのですが、相続は一回勝負なのでそういうわけにもいきません。
紹介してもらう時に詳しい人をリクエストするのはもちろんですが、契約する際には遠慮なく経験や実績を聞くようにしてニーズに合っているかを確認しましょう。