前回の続きで103万円の壁の住民税編について見ていきます。
1.改正前
・年収100万円-給与所得控除55万円-基礎控除43万円=2万円
給与所得控除は所得税と共通ですが、基礎控除は所得税の48万円から5万円減ります。
この算式だと2万円残りますが、合計所得金額(基礎控除引く前)が45万円以下であれば住民税は非課税となります。
基礎控除が合計所得金額2400万円超で減り始めるのは所得税と同じで、43⇒29⇒15万円と減り、2500万円超で0円になります。
2.改正案
・給与所得控除 最低55万円⇒65万円
・基礎控除 43万円⇒改正なし
⇒45万円(非課税枠)+65万円=110万円まで本人の住民税なし
住民税の基礎控除に関しては、+10万円もさらに上乗せ分もなく、改正の予定がありません。
所得税との差が大きく何ともいびつですが、自治体の税収に配慮したためと考えられます。
これだけだと内容が薄いので所得税の話に戻って、改正のタイミングと手続きについて見ておきます。
<いつから?>
・令和7年分から
<手続き>
・給与所得者 :令和7年の年末調整で減税
・事業所得者等:令和7年分の確定申告で減税
<法施行日前>
令和7年12月1日に改正法が施行されるのでそれ以前は基礎控除の拡大が使えません。
・令和7年12月1日以前に最後の給与の支払い(出国や死亡)
⇒年末調整では考慮できず、確定申告すれば減税が適用
・令和7年12月1日以前に確定申告(死亡)
⇒12月1日から5年以内に更正の請求をすれば減税が適用
年末まで在籍しない場合はイレギュラーな取り扱いとなるので気をつけましょう。
(つづく)