値上がりしていることもあり、暗号資産の売買をする方も増えています。
儲かったら当然確定申告が必要になってきますが、初めての方向けに基本を整理しておきます。
1.確定申告の要否
・含み益があるだけで実現していなければ申告不要
・年間利益が20万円以下なら申告不要(給与所得者で他に副業がない場合)
・赤字なら申告不要
2.所得の種類
・原則:雑所得
・例外:事業所得
暗号資産の収入が年300万円超で記帳や帳簿書類の保存があれば事業所得になることもあります。
事業所得に該当すれば、赤字を他の黒字と通算したり翌年以降に繰り越すことが可能で、青色申告の特典も使えたりとメリットが大きいですが、その分慎重に区分を判断する必要があります。
雑所得、事業所得のいずれの場合も総合課税ですので、累進税率(5~45%)に応じて所得税がかかります(別途住民税10%)
3.計算方法
<原価>
・原則:総平均法(1年間の全ての購入額の平均単価を出す方法)
・例外:移動平均法(購入の都度単価を計算し直す方法)
特に届出をしていなければ法定評価方法である総平均法になります。
計算が簡単なのは総平均法ですが、年間で締めるまでは損益が確定しないのが難点です。移動平均法はその都度損益が分かるので年間の予想は立てやすいです。
評価方法は暗号資産の種類ごとに選択できます。
初めてその暗号資産を購入した場合には翌年3月15日に届け出れば移動平均法も選べます。
従来から持っている暗号資産の評価方法を変更するには、その年の3月15日までに届出が必要です(今提出すれば令和7年分から変更可能)。
<計算方法>
国税庁のHPにエクセルのシート(総平均法・移動平均法)が公開されています。
国内の取引事業者であれば「年間取引報告書」を発行してくれますが、これは総平均法で計算されているので、そのままエクセルに転記すればOKです。
年間取引報告書が出ない海外の事業者等を通じて取引している場合は、取引ごとに損益を計算していくことになります。
<経費の範囲>
・売却手数料
・パソコンの購入費用(20万円以上なら減価償却で経費化)
・書籍代
・セミナー参加費等
・家賃、光熱費、通信費(家事用と事業用の割合に応じて)
確定申告もあと1週間ちょっと。
電子申告を含めて意外に時間がかかるので早めに終わらせてしまいましょう。