上場株に投資をしていると年明けに「年間取引報告書」が送られてきますが、これは確定申告にどう関係するのでしょうか。
1.確定申告必要?
口座開設時に「源泉徴収あり」を選んでいれば確定申告は不要です。
配当や株の売買で利益あるいは損失が発生していたとしても、特定口座の中で税金の精算が終わっており、何もしなくてもOKです。
逆に「源泉徴収なし」を選んでいれば確定申告は必須です(赤字なら不要)。
2.確定申告すべき?
源泉徴収ありなら確定申告不要ですが、申告した方が有利になるケースもあります。
① 証券会社が複数
特定口座は年間の税金を正しく計算してくれていますが、証券会社をまたいだ調整はできません。
1つが年間で黒字、1つが年間で赤字の場合、黒字の方は源泉徴収がされていますが、赤字の方は源泉徴収額は0円になっています。
1つの口座で使い切れない赤字は、確定申告すれば他の口座の黒字と相殺が可能で還付が受けられます。
② 損が出ている
年間で赤字の場合、源泉徴収額0円で課税関係は終了していますが、確定申告することで翌年以降に赤字を繰り越すことができます。
繰り越して、利益と相殺できる期間は翌年から3年間です。
③ 配当控除
配当は企業の税引き後利益が財源なので、既に法人税が課税された状態です。
配当を受け取った個人がさらに課税されると二重課税になってしまうので、配当控除により税額を減らして調整を行います。
配当控除については、控除と言いつつ必ずしもトータルで有利になるとは限らないため、使うべきかどうか次回掘り下げていきます。