仕事柄 ”脱税指南で逮捕”みたいなニュースがあると「一体どんな手を使っていたのか」と気になって見てしまいます。
だいたいは「架空経費」であることが多いのですが、今回は一捻りあって合同会社の出資というパターンでした。
合同会社は株式会社に比べて簡単に設立できることから近年利用が増えていて、新規設立法人の1/4を超えています。
株式会社と比べた場合のメリット、デメリットは次の通りです。
<メリット>
・設立費用が安い(株式会社なら30万円程度、合同会社は10万円程度)
・設立までの期間が短い(株式会社なら3週間~、合同会社は数日~)
・役員に任期が無く、会計監査や公告も不要で維持コストが安い
・意思決定や分配が出資割合に縛られず自由度が高い
<デメリット>
・社員の全員一致が原則なのでもめると収拾がつかない(出資額の多寡も無関係)
・知名度や信用度でまだ株式会社には劣る
・上場できない(株式会社に組織変更すれば可)
上記は合同会社の一般的な使い方ですが、今回の事件では次のような手法が使われました。
① 指南役が合同会社を設立
② 顧客が合同会社に出資
③ 合同会社で損失計上
④ 合同会社が損失を分配、出資者は損失計上
これだけだと違法にはなりませんが、②の出資に実態がなかったため、摘発されたようです。
出資は表面上は当然行われていると思いますが、合同会社を赤字にするために経費として引き出して顧客に還流しているはずで、その時点で実態がないということになったと思われます。
最近はYoutubeやSNS広告など様々な情報が飛び交っていて、それを参考にする人が増えています。
もちろんまともなものもありますが、中には違法なのに合法と言い切っていたり、たまたま見つかっていないだけで明らかに脱税しているものもあります。
うますぎる話はありませんので気をつけましょう。