年が明けて半月ほど経ちましたが、個人事業主の方は確定申告の準備を始める時期になっています。
青色申告をしている場合の代表的なメリットとして「青色申告特別控除」があります。
控除額には10万円、55万円、65万円の3種類がありますが、必要な手続きに違いがあるので内容を確認しておきます。
<10万円>
① 所得の種類
・不動産、事業(農業含む)、山林
農業所得は決算書の用紙が異なりますが、事業所得の一種として適用があります。
副業など雑所得には控除はありません。
② 要件
・青色申告の届出をしている。
届出さえしていれば他に要件はありません。
期限後申告であっても控除は受けられます。
<55万円>
① 所得の種類
・不動産、事業(農業含む)
② 要件
・複式簿記により記帳
・貸借対照表、損益計算書を添付
・確定申告期限内に控除額を記載した申告書を提出
複式簿記とは全ての取引を仕訳で表現して、収支だけでなく資産や負債の増減も把握する方法です。
具体的には添付書類として貸借対照表を作成して、帳簿として総勘定元帳を作成することになります。
手書きで作るのは大変ですが、会計ソフトを使えばどちらも自動的に作れます。
55万円控除は期限内申告が要件なので、期限後申告をした場合には受けることができず10万円が上限となります。
また期限内申告で記載した控除額が限度となるので、修正申告で利益が増えたとしても控除額を増やすことはできません。
長くなるので65万円控除については次回へ続きます。