ちょっと間が開きましたが、先週の続きで交換の最終回です。
不動産の交換は等価交換が基本です。
等価と言っても、ぴったり同額ということは通常ないですし、誤差2割以内なら税務上は等価として取り扱います。
第3者間であれば2割以上の時価の差があるものを交換することは考えられませんが、身内であれば2割以上の時価の差があっても交換が成立することがあります。
このような場合は税務上はどう扱われるのでしょうか。
<例>
・父が所有する土地A(時価5000万円)と子が所有する土地B(2000万円)を交換
<交換の判定>
・5000-2000=3000>5000 ✕ 20% ∴交換特例の要件満たさない
<課税される税金>
交換の特例が使えない場合、お互いに土地を売却したことになり、さらに経済的利益を受けた子には贈与税がかかります※
・父:土地Aの譲渡 2000万円(所得税住民税 約386万円)
・子:土地Bの譲渡 2000万円(所得税住民税 約386万円)
土地Aの贈与 3000万円(贈与税 約1036万円)
※譲渡所得は取得費の分からない古い土地として計算
贈与税は直系尊属からの贈与の場合の低い特例税率を適用
交換の特例が使えるかどうかで税金は大きく変わりますので、身内(配偶者、6親等以内の血族、3親等以内の姻族)で交換をする場合は、時価を慎重に検討するようにしましょう。