交換と税金 ① 概要

posted by 2024.10.29

goods_koukan

 同じ価値のものを物々交換したら損も得もしてないような気がしますが、税金はかかるのでしょうか。

 考え方としてはお互いに売ったことになるので課税の対象になりますが、実態に着目して課税しない特例もあります。

 

1.動産の交換

<原則>

・譲渡所得の課税対象

・貴金属、宝石、書画、骨董など単価が30万円を超えるものは譲渡所得の課税対象

<例外>

・生活用動産(家具、通勤用自転車、衣服等)の譲渡は非課税

 

2.不動産の交換

 不動産の交換には様々な形態があり、次のような特例が設けられています。

➀ 等価交換

 隣接している土地の場所の交換や共有持分の整理などほぼ等価の不動産を交換した場合には課税が繰り延べられます。

 

② 立体買換え

 マンション開発などにおいて土地の所有者が、土地と完成した建物の一部を交換した場合には、立体的に買換えが行われたものとして課税が繰り延べられます。

 

③ 換地

 土地区画整理事業により土地が収用され、近くで代わりの土地を割り当てられた場合には、譲渡はなかったものとされます。

 

④ 等価でない交換

 ➀はほぼ等価の不動産を交換することによる特例ですが、等価でなくても交換が成立することがあります。この場合、交換の特例はなく、さらに差額部分が贈与扱いになることもあります。

 

 実際の適用には様々な要件があることから次回以降に内容を確認していきます。